結婚相談所の法的地位
誰でもできるわけではない
個人的に自分の人間関係を利用してお見合いなどをセッティングする「お見合いおばさん」などは問題ありませんが、事業として結婚相手の紹介サービスをする場合は「特定商取引法」の対象となる事業になります。
つまり、クーリングオフなども有効ですし、不当な勧誘や強引な勧誘があった場合は中途解約ができます。強引に会員にして毎月の会費を請求することは認められていません。また、契約にあたっては書面を提示し、それに署名捺印することなど「法律行為」として利用者と結婚相談所が契約する必要性があります。
また、地域密着型の結婚相談所であればそれで済みますが、例えばインターネットで相手を紹介するサービスがある場合は、いわゆる「出会い系」と同じカテゴリの業務も含むためそれらの届出が必要になります。
さらに扱う情報が多い(会員数が多い)場合は「個人情報保護法」における「個人情報取扱事業者」とされるため、それに対応した準備や届出などが必要になります。
- 通常の結婚相談所:事業所として届出
- ネット婚活がある:+「出会い系」の届出
- 会員数が5000人以上:+個人情報保護法上の手続き
が求められます。逆に言うと、そうした届出などがない場合、結婚詐欺を行っている可能性があります。
そうではない場合でも実際に結婚相談所を運営する場合は横のつながりが重要で、「仲人協会」など関係する結婚仲介業団体に加盟していないと活動は難しいと言われています。情報共有もできず、完全に独力だけで結婚相談所業を行うのは極めて難しく、また妨害などがあるという話も聞いたことがあります。
このような現状を踏まえたうえで、結婚相談所詐欺に合わないための6つの方法について考えていきたいと思います。
詐欺に合わない6つの方法
活動料金に注目する
Women / be creator
「結婚相談所は高い」という印象があります。確かに、入会金10万円、月会費1万円、別途お見合い代、成婚料数十万円・・・、安い契約でないことは確かです。これで結果が出ないと嫌になってしまいますよね。
そうしたこともあり、最近では格安の結婚相談所も出てきています。ここで注意していただきたいのは「安かろう、悪かろう」ではなく、どういうシステムで収益を上げているのかを確認してみましょう。
これはある(実際にある)結婚相談所詐欺団体なのですが、「ボランティア」を謳っていて、入会金や月会費も無料。本当にボランティアでやっている団体もあるので、ボランティア=詐欺ではなく、問題はその後の「お見合い」の方法です。
そこでは「団体代表が立ち合い」「指定されたお店で」「全て男性負担で」「数万円の料理」を食べます。要は団体とレストランがグルで、食事代からキックバックしているのです。指定のレストラン以外は認められていません。これはどう見ても詐欺です。
紹介される異性を選べるのか?
Two women boxing / Powerhouse Museum Collection
通常、お見合いであっても事前に写真を交換し、どのような人なのか分かります。その時点で嫌ならば断われば良いのですが、詐欺団体の場合「あなたにピッタリの人を選ぶから任せてほしい」などと言われて、どんな人か知ることができません。
まるで明治時代のお見合いなのですが、これは紹介される異性が会員ではなくてサクラなのですね。どこからかサクラを調達してこないといけないので、細かいプロフィールは直前まで伏せる必要があります。当然、そのプロフィールもでたらめです。
認証マークや団体への加盟がない
Woman TV journalist profile / pedrosimoes7
結婚相談所は個人の資格でも始められると書きましたが、本当に個人ベースでやっている場合を除いては、ある位程度の協会などに加入しているとことがほとんどです。また、非常にセンシティブな個人情報を扱いますから、「プライバシーマーク」の取得なども重要になってきます。
その結婚相談所にHPがあり、そこに加入団体やプライバシーに関する記載がないと、本当に結婚の仲介を行う気がなく詐欺行為を行っている可能性があります。大いに注意してください。
契約段階で詳しい説明がない、その場で契約させられる
Woman at Crossroads / kohlmann.sascha
特定商取引法による契約行為が結婚相談所では行われます。よくある商品の購入トラブルと同じことが結婚相談所でもありうるのです。入会の説明の際に、クーリングオフの説明がない、入会・退会についての説明がないケースはもちろんのこと、契約書に「特定商取引法」に関する記載がない場合など大いに疑ってください。
言うまでもなくその場で署名捺印し、契約させようとするところは要注意です。初めから印鑑は絶対に持って行かない、「持ち帰らせていただきます」といって帰宅してもう1回よく契約書や約款を確認してみてください。
誰でも知っている大手の結婚相談所であっても、詐欺とまでは行きませんが、契約内容に齟齬があり、要はAコース(10000円/月)のつもりがBコース(20000円/月)を契約させられていたということがあるようです。
用心しすぎることはありません。しっかりと契約内容を確認し詐欺かどうか見抜いてください。
結婚相談所の所在地、電話番号が怪しい
Woman with Buggy / kohlmann.sascha
大手の結婚相談所ではあまり心配いらないと思いますが、個人経営の結婚相談所の場合その所在地が本当に存在するのか注意してください。写真や履歴書など重要な情報を扱う結婚相談所が、個人の住宅兼事業所のアパートだった、みたいなことがあると非常に不安です。
そして何といっても電話番号です。まさか代表番号が携帯(090~)ではないでしょうか?携帯電話ということは固定電話を引かない→事業実態の把握ができない→どこでも逃げられるということになります。
通常の商店などであっても携帯電話が代表番号というのはどうかと思いますが、結婚相談所の場合「あり得ないレベル」でおかしいことに気付いてください。ここが詐欺を見抜けるかのポイントになります。
余計なオプションへの勧誘が多い
Women In Tech – 66 / wocintechchat
結婚相談所には通常のプロフィール紹介以外にもパーティや遠足などのイベントが設定されているところもあります。基本的にこれらは「オプション」であり参加は自由です。ところが、これらのイベントへの参加を強制する、強く勧めるところはありませんか?
イベント参加費も基本料金に含まれているのならばまだ良いのですが、都度支払いの場合オプション料金を強制されていることになります。ひょっとするとパーティはサクラばかりなのかもしれません。くっ付きようがない相手と高額の参加費を払って話しても意味がないですよね。こういった詐欺行為をする結婚相談所があるそうです。
結婚相談所に何を求めるのか?
軸をぶらさずに勧誘に引っかからないようにしましょう
結婚相談所に限らず通常の商品購入の際もそうですが、相手の口車に乗って「あれも、これも」と求めてしまうと結局高額のお金を支払って大した結果がない、ということになってしまいます。
商品であればお金を損するだけで済みますが、結婚相談所の場合はあなたの名前、住所、職場、年収、学歴、写真・・・等、非常に重要な情報が抜かれてしまいます。こうした結婚相談所詐欺に合うと「カモ」だと認定され、違う結婚相談所詐欺業者から声がかかり・・・、と抜け出せないループに入ってしまいます。
結局誰とも出会うことができずに、年ばかり取ってしまった、お金も失った、そうしたことのならないように、詐欺行為には十分注意してください!