統計でみる独身でいたい人
孤独を好きだという人は少ないようです
まず、このまま独身でいたいという人がどのくらいいるのか把握しましょう。第14回「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査:2010年)によると
男性の86%、女性の89%が「いずれ結婚したい」という希望を持っています。
一方で「一生結婚するつもりがない」と答える人もいて、男性9%、女性7%が結婚は必要ないと答えています。結婚しない=孤独でいたい、ということではないかもしれませんが、1割未満ではありますが「結婚を必要としない」と考えている人たちがいるようです。
次に、同じ調査で「独身生活の利点」も聞いていますので紹介します。独身であることのメリットとして一番位大きいのが「行動や生き方が自由」であるというもので約7割の方がそのように感じています。
「金銭的に余裕である」という回答も安定していて、ある程度稼いでいる人は経済的に結婚することのメリットを感じず「独身貴族」でいたい人たちもいます。
自由に使える時間、お金がある人たちの中には積極的に独身であることを選択する人が一定の割合で存在します。おそらく、そのタイプの人たちはモテない感じではなく、その気になれば恋人ができ結婚することもできるのでしょう。
問題はそれ以外の人たちです。この人たちは孤独を感じ、自己肯定感が低くネガティブに独身であることをとらえているようです。その辺りについて考えていきたいと思います。
独身だと孤独を感じる理由を考えます
広い友人関係を維持できない
Women….. / francoiskarm
結婚すると家庭に拘束されて、独身の時のように自由に友人と遊べなくなる。だから独身のままでいたい、と思う人もいるかもしれませんが、実際のとことはその逆のようです。
上で挙げた調査では独身でいることのメリットとして「広い友人関係を保ちやすい」という項目があるのですが、その割合が(特に女性で)右肩下がりになっています。
結婚したら友人関係が壊れると考える人が大きく減っているのです。むしろ独身でいることで「ママ友」の輪から外れてしまい、孤独と言いますか孤立してしまう状況にあります。
かつては結婚した友人とは電話や手紙で連絡を取るしかありませんでしたが、今ではSNSやLINEやいつでもどこでもつながっていることができます。
LINEの「ママ友グループ」には独身の人は入れませんから、これまでの友人であっても疎外されてしまいます。「結婚している」「母である」というステータスを共有できないことは、ご自身を孤独と感じさせるのに十分な環境を作ってしまいます。
住環境が制限される
Louisa May Alcott residence in Concord Massachusetts. Author of Little Women. / denisbin
1人で家に住むのと、夫婦、あるいは家族で一緒に家に住むのとでは経済的な負担が大きく異なります。
1人用住居1K8万円の物件に住んでいたとします。これが結婚すれば16万円の物件はその倍の広さどころか何倍もある部屋に住むことができるでしょう。
住環境が悪い=部屋が狭い、暗い、場所が悪い・・・などだとやはり孤独感は増すでしょう。独身のまま広い住居に1人で住んでもむなしいだけですしね。
年収が上がらないのであればなおさらで、ずっと古くなっていくアパートなどに住み続けることは孤独感を増すだけでしょう。
心の安らぎが得られない
cleaning the street / hans s
結婚の大きなメリットが異性と共に暮らすことで精神的な安定、安らぎを得られることにあります。これはやはり生物の本質的な部分として大切にしなければいけないものです。
プライベートが充実していて結婚は不要、むしろ自分の時間を取られていると考える「リア充」タイプの独身者はそうではないのですが、ずっとモテないで寂しく来ている人ほど結婚によって精神的な安らぎを必要としています。
独身貴族を謳歌できないタイプな何とかして結婚しないと寂しい老後が待っているだけで、そういう人ほどモテない、異性に相手にされないという負のループに入っています。この人たちは独身=孤独が継続していくことになります。
経済的な不安定さ
Woman on Street, Paris, February 2012 / danxoneil
安定した職に就いていれば結婚は不要、定年後も年金などで何とかなると考えている人もいるかもしれません。年収は十分に高いので貯金もでき、いざというときの備えも万全。何かあれば周りもお世話をしてくれるから大丈夫、などと考えていませんか?
「金の切れ目は縁の切れ目」ということわざにもあるように、しっかりと稼いでいるうちは周囲の人も自分に構ってくれますが、病気やリストラで退職を余儀なくされると「サーッ」と波が引くようにいなくなってしまうこともあるようです。
何か人生の上で問題に当たってしまったときに独身でいると、誰も助けてくれず貯めてあったお金もあっという間になくなってしまい、孤独で貧しい生活が待っています。
結婚は何かあったとき、あるいは何もないように経済的に支え合う契約の意味合いもあります。1人では倒れてしまうような困難でも、夫婦2人でいれば経済的に踏ん張ることができる、もちろん精神的な支柱であることも大きいのですが、様々なリスクを経済的にヘッジする意味でも独身であることは孤独で悲しい結果を導いてしまいます。
結婚していればひょっとすると相手の親や親族の援助なども期待できるかもしれません。
モテないことへの負のループ
IM000400 / subewl
30代、40代の独身者の中にはモテる人もいますが、正反対に異性と縁がなくモテない人生を送ってきた人たちが多数います。その人たちは自分がモテないことを自覚しているのでより卑屈になっています。
異性と一緒にいることの喜びが分からないし、いくら頑張っても自分には無理だというあきらめを感じつつあります。周りはどんどん結婚して子供もできる、一方で自分は異性と付き合うことすらできない、経験がないので何をやったら良いのかわからない、どんどん内にこもってしまいます。
趣味に没頭しているから結婚したくないんだ、という見方をする人もいますが、逆で結婚できない、異性と縁がないから趣味に走らざるを得ない人たちがいることを忘れないでください。そうしないと心の安定が得られないのです。この人たちの孤独感はものすごいものがあります。
周囲は助けてくれない
looking into the street / hans s
独身のまま孤独でいることを周囲の人は意外と気付きません。「最近の若い人はそうなんだ~」程度の認識しかない人が多いです。自分の親であっても大して気にしていません。受け身の姿勢では周囲は状況を察知して手を差し伸べることはほとんどないと考えてください。
恥ずかしいことかもしれませんが「自分は孤独で寂しい」ことをアピールしていかないと他人の手助けは期待できず、寂しい独身生活を送ることになります。
孤独であることが嫌ならば行動を起こす
普通の人は孤独が嫌です
誰からも干渉されたくない、「自分は孤高が大好き」という人が一定割合存在することは否定しません。しかし多くの人たちは結婚して支えを持つことが必要ですし重要なのです。
冒頭紹介した「結婚するつもりがない」人の中には「自分では相手を見つけられないから諦めている」人もいると思います。そうした人こそ孤独を解消するために結婚が必要なのですが・・・、世の中は不公平ですよね。
うじうじ諦めていても何も生まれません。今のご自身でできることを始めないと、どんどん孤独になってしまいます。「独身がいい!」と信念がある人以外はとりあえず何か始めてみましょう。