結婚に際して、伝統的な「夫の姓」を選ぶカップルも多い中、婿入りという選択をする人々も増えています。
しかし、婿入りには独特の流れや手続きがあり、また妻の姓を名乗ることに関連したデメリットも存在することを理解しておくことが重要です。
本記事では、婿入りする際の具体的な流れや手続きと、妻の姓を名乗る際のデメリットについて詳しく解説します。
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結婚後に妻の姓を名乗る「婿入り」とは?
結婚後に妻の姓を名乗ることを婿入りといいます。
具体的な婿入りの特徴を以下に解説します。
妻側の名字を名乗ること
「婿入り」とは、結婚後に夫が妻の姓を名乗る日本の伝統的な風習の一つを指します。
通常、多くのカップルは夫の姓を選ぶことが多い中、このような形で家族を継ぐ方法も存在します。
この選択は、例えば妻側に男の子がおらず、家名や家業を継ぐために夫が妻の家に入るという場合などに行われることが多いです。
しかし、最近では、双方の意向や状況に応じてこの選択をするカップルも増えています。
婿養子との違い
「婿養子」とは、婿が妻の家に正式に養子として迎えられ、妻の家の家族として生活することを指します。
これは、妻側の家族が家名や家業を継ぐための後継者を持っていない場合などに、夫を正式に家族として迎え入れる形です。
「婿入り」と「婿養子」の最大の違いは、前者が名前の変更のみを指すのに対し、後者は法的な養子縁組を伴うことです。
婿養子として家に入ると、夫は妻の家族と同じ法的権利や義務を持ち、家業や財産の相続権も得ることができます。
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結婚後に妻の姓を名乗るメリット
結婚後に妻の姓を名乗るメリットとしては、次の3つがあげられます。
- 嫁姑問題が発生しづらい
- 妻側の家から歓迎してもらえる
- 婿入りしても妻側の親を扶養する必要がない
以下にそれぞれの特徴を解説します。
嫁姑問題が発生しづらい
婿入りを選択することで、夫が妻の家に入る形となるため、伝統的に言われる「嫁姑問題」が発生しにくくなります。
このような場合、夫は妻側の家族との関係性を深めることが求められるため、新しい家族としての関係構築がスムーズに進むことが期待されます。
妻としては、自身の実家との関係を維持しやすく、夫との関係も円滑に進むことが期待されます。
妻側の家から歓迎してもらえる
多くの場合、婿入りを選択する背景には、妻側の家系や家業を継続する必要があるという事情が存在します。
そのため、妻側の家族は夫を温かく迎え入れる傾向があります。
夫としては、新しい家族からの歓迎やサポートを受けやすく、家族全体との関係を築き上げやすい環境が整っています。
婿入りしても妻側の親を扶養する必要がない
婿入りは、名前を変更するだけの行為であり、法的な養子縁組ではないため、妻側の親を法的に扶養する義務は発生しません。
経済的な負担や家計の管理面でのメリットと言えるでしょう。
夫婦での生活設計を考える際に、婿入りによる経済的な影響を慎重に評価することができます。
結婚後に妻の姓を名乗るデメリット
結婚後に妻の姓を名乗ることはメリットもありますが、デメリットも次のようにあげられます。
- 名前の変更手続きが面倒
- 妻の親の遺産相続の権利がない
- 妻側の家族との関係性が複雑
以下にそれぞれのデメリットを解説します。
名前の変更手続きが面倒
妻の姓を名乗る場合、夫は多くの公的な書類やID、銀行口座、クレジットカードなどを新しい姓に変更する必要があります。
この名前の変更手続きは非常に時間がかかり、面倒なものとなることが多いです。
また、社会生活や職場での名前変更に伴う混乱や誤解を招くことがあるため、注意が必要です。
妻の親の遺産相続の権利がない
婿入りを選択した場合でも、法的な養子縁組ではないため、妻側の親からの遺産相続の権利は発生しません。
このため、妻側の家族との関係が深まる一方で、経済的な利益や家業の継承などの権利を得ることは難しい場合があります。
妻側の家族との関係性が複雑
婿入りを選択することで、妻側の家族との関係が深まることはメリットとして挙げられましたが、同時にその関係性は複雑化することも少なくありません。
特に、妻側の家族との価値観や習慣の違い、家族間の役割分担などの問題が発生することが考えられます。
夫としては、新しい家族環境に適応する過程でストレスや不安を感じることがあるかもしれません。
婿入りする際の流れ
婿入りする際は、基本的に次の流れで進みます。
- 親への報告
- 結納
- 婚姻届けの提出
それぞれのステップごとに解説します。
親への報告
婿入りを検討している際の最初のステップは、両家の親に意向を伝えることです。
特に夫の側では、家の長としての役割や家系を継承するという伝統的な期待があるため、婿入りを選択することについての理解と同意を得る必要があります。
親との対話の中で、夫婦での考えや希望、婿入りの意義や背景を説明し、両家の理解と協力を得ることが重要です。
結納
結納は、結婚の意志を固めるための伝統的な儀式の一つです。
婿入りの場合でも、この儀式を行う家庭は多いです。
結納品を交換することで、双方の家族が結婚を認め、お互いの絆を深める意味合いがあります。
しかし、現代では結納の形式や内容は多様で、家族の価値観や予算に応じてカスタマイズされることが一般的です。
婚姻届けの提出
婿入りの際も、結婚を法的に成立させるためには、婚姻届けを市区町村の役場に提出する必要があります。
提出する際には、夫婦の住民票や印鑑、証明写真などが必要となります。
また、この時点で夫が妻の姓を名乗ることを選択し、公式な書類にその旨を記載します。
婚姻届けを提出することで、夫と妻は法的な夫婦として認められると同時に、新しい姓での生活が始まります。
婿入りする際の注意点
婿入りか婿養子かをはっきりさせる
婿入りと婿養子は、概念的には似ていますが、法的な意味合いや社会的な背景が異なります。
婿入りは、夫が妻の姓を選択して生活するだけのものですが、婿養子は夫が妻の家族に養子として迎えられることを意味します。
この違いは、遺産相続などの法的手続きや家族関係において大きな影響を及ぼすことがあるため、夫婦での確認や合意が不可欠です。
夫の親に婿入りを認めてもらう
婿入りを選択する際、夫の家族との関係は非常にデリケートな問題となることが多いです。
特に、家族の伝統や家系を重んじる家庭では、夫の決断に理解や支持が得られないこともあります。
そのため、早い段階で夫の親に意向を伝え、理解を求める対話を重ねることが重要です。
また、夫の立場や気持ちをしっかりと伝えることで、家族の中での摩擦や誤解を避けることができます。
夫が妻の親や家族のことを理解する必要がある
婿入りを選択した場合、夫は妻の家族との関係がさらに深まることが予想されます。
これには、家族の伝統や価値観、習慣などを尊重し、理解する努力が求められます。
妻の家族との関係をスムーズに築くためには、夫自身が積極的にコミュニケーションをとり、家族の中での役割や期待を明確にすることが大切です。
また、妻との協力やサポートを得ることで、家族との関係性をより良好に保つことが可能となります。
結婚後に妻の姓を名乗るデメリットとメリットを把握して進めよう
婿入りは日本の伝統的な結婚の形の一つであり、近年もその選択をするカップルが見られます。
婿入りする際には、具体的な手続きや準備が必要となります。
また、妻の姓を名乗ることは、社会的認知や環境によっては一定のデメリットを伴うことがありますが、それを上回る価値や意義を見出す夫婦も多いです。
選択をする際は、双方の意向や状況をしっかりと考慮し、最適な選択を心がけることが大切です。