株式会社IBJの石坂茂社長にまりおねっとがインタビューしました
結婚相談所、婚活サイト、婚活パーティーなど様々な婚活サービスを展開
結婚相談所、婚活サイト、婚活パーティーなど様々な婚活サービスを展開しているIBJは婚活業界をリードしている存在です。主な事業は
その東証一部上場の株式会社IBJの代表取締役社長石坂茂さんにインタビューしました。
意外なことに元銀行員だそうです。なぜ婚活事業をしようと思ったのか、婚活のトレンドなどいろいろお聞きしました。
元銀行員が結婚相談所、婚活事業を始めた理由
なぜ銀行を辞めて婚活の会社を興そうとおもったのでしょうか?
石坂「ご縁があってですね。日本興業銀行というところに入行してずっと務めるつもりでいました。いくつかの銀行が統合してみずほ銀行になったタイミングで、外でIT事業をやってみたくなり、みずほ銀行に行かずに独立しました。
その時、27歳でした。実家も商売をやっていたので自分でやることにはあまり抵抗はなかったですね。
その頃にたまたま、あるネットの出会い掲示板を引き受ける機会がありました。身分確認もしないし、とても怪しいチャラチャラしたサイトでした。そこで、当時では珍しい男女とも課金し、全員本人確認をする真面目なサイトにしたのです。それが日本で初めての婚活サイト『ブライダルネット』になりました。
2000年ごろにYahoo!が結婚情報サービスを始めると声をかけられて、会社はYahoo!グループに入りました。婚活サイトを運営してみて気が付いたのは、入会者が増えても成婚者は増えないのです。しかしアナログな古くからある結婚相談所は仲人がサポートするのでちゃんと成婚者が出ます。
当時日本には3000社を超える結婚相談所がありました。このアナログな力も借りて成婚者を増やそうとYahoo!社内に提案したのですが通らなかったので、Yahoo!から株を買い取って再び独立しました」
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チャラチャラした怪しい出会い産業のイメージを変える為にやったことはありますか?
石坂「まずは会社を上場させたこと。イメージを変えるのに大きく役立ちました。また社員のクオリティを上げていくために、新卒採用をして、長く勤められる会社にしていくよう努めております。
他社ではアルバイトが運営している婚活パーティーも多々あるようです。接客、接遇、ヒアリング技術は研修を行い常にブラッシュアップさせております。
現在約400人の社員がおりますが、新卒・中途合わせ昨年は約50名が入社しました。営業は50人ぐらいでカウンセラーが80名。当社の結婚相談所では一人のカウンセラーが担当するのは60~80名ぐらいのお客様ですが、他社だと300名ぐらいを一人でこなしているようです。きめ細かい対応ができる仕組みがあるので成婚率を高く維持できております」
近年いろんな会社が婚活事業に参入しておりますがどんな差別化を考えていらっしゃいますか?
石坂「お客様が満足するのは結婚できること。IBJが他と大きな違う点は成婚主義です。
昔の結婚相談所は月会費で収益があがり、結婚しない会員がいるほど儲かる業界でした。しかし、それではお客様は満足できません。
他社はカップルになったら『成婚』という扱いにしているところが多いのですが、IBJは入籍の手前までサポートしています」
IBJでやっている意外な事業はありますか?
石坂「昨年、ソニー生命と合弁会社を作って保険の会社を立ち上げました。独身の会員、成婚会員向けにライフデザインを描いて保険を提案しています。IBJカウンセラー出身者が保険会社の仕事をしていて独身女性にも好評です。
婚活をしていると「結婚しなくてもいいや」と気が付く方もいらっしゃいます。様々な生き方のライフプランに応じて保険をかける女性は多いようです」
2018年にIBJで新たに始める取り組みはありますか?
石坂「お客様に付加価値を感じてもらえるようにブライダルネットは結婚相談所のように専任のコンシェルジュを設けます。コンシェルジュは主にプロフィールのブラッシュアップをお手伝いする予定です」
「婚活は恥ずかしい」と思っている方もおります。そういう方向けに取り組んでいることはありますか?
石坂「いかにもという『婚活色』を出さない旅行企画があります。婚活と言わず『独身者限定のワイナリーツアー』とか『独身者限定セブ島旅行』など企画して人気でした。
そういう自然でうっかり出会ったような機会を演出するイベントなどはこれからもやっていく予定です」
これから婚活サービスを利用する人は増えると思いますか?
石坂「増えます。40代以上の世代は出会いの場があれば自分からガツガツアプローチできました。スマホに慣れ親しんだ若い世代はちがいます。ネットで気軽に知りあい出会いますが、自分の力で距離感を縮めて彼女/彼氏にしていくという恋愛が面倒くさいと考える傾向があります。成果が出ない作業にトライせず、恋愛は労力に見合わないのです。だから効率的に結婚したいと考え婚活サービスを利用するでしょう」
これからのIBJについてもお聞きしました
石坂社長がこれからやりたい事業はありますか?
石坂「シニアの婚活支援や国際結婚支援をやっていきたいです。統計だと国際結婚をする方の3割が韓国人男性と結婚しています。日本人女性のかわいらしさ、清潔感、知性は世界的に高く評価されています。日本人と出会いたいアジア圏の外国人が日本に来るお見合いツアーのようなことをやってみたいですね。
あと婚活パーティーの受付は全てロボットに切り替え、人間にしかできないことを社員に注力してもらうようにしていきたいです」
親しみやすそうな雰囲気の方で、色々質問できました。石坂社長、お忙しいところありがとうございます。