現在の独身男女の割合をデータで紐解いていくと、今の婚活事情が垣間見えてきます。
昔に比べると、やはり未婚の男女の割合は年々増加傾向にあります。
そして結婚する年齢も年々上がってきています。いわゆる晩婚化の問題です。
昔と現在は状況がかなり変わっていますが、背景にはどういった問題が潜んでいるのでしょうか?
リアルな数字で読み解く最近の婚活事情
独身男女の割合や、総務省の統計データなどのリアルな数字を基に現在の婚活事情を読み解きます。
1)独身男性の割合は年々増加傾向
Group of men, Corpus Christi procession, Cahir, Co. Tipperary / National Library of Ireland on The Commons
総務省が行なった国勢調査によると男性の独身割合は年々増加傾向にあります。
例えば、今から50年以上も前の1960年頃には25~29歳の独身割合は46.1%でした。
2人に1人は20代半ばを過ぎた辺りには結婚していたんですね。
30~34歳の男性ともなると、その割合は9.9%。30歳を過ぎた男性はほとんど結婚していた計算になります。
それでは最近の動向ではどうでしょうか。25~29歳の男性の独身率は71.8%にも増加します。実に25%以上も未婚の男性が増加しています。
そして、30~34歳の男性では割合は47.3%にも増加しています。30代になっても独身の男性が実に半数近くもいることには驚きです。
2)女性の独身割合も以前と比べると格段に上昇
Woman in a Bicycle / pedrosimoes7
それでは次に女性の統計データを見ていきましょう。
1960年頃の25~29歳の女性では未婚率が21.6%です。つまり、5人中4人は結婚している計算になります。割合としては非常に高いのではないでしょうか。
さらに30~34歳の女性に関しては9.4%の独身割合となります。
1960年頃の男性と同じく30歳を過ぎた女性はほとんど結婚していたようですね。
それでは最近の動向はどうでしょうか。
最近の動向では25~29歳の女性の独身割合は、実に60.3%。男性ほどではありませんが、5人中3人は結婚をしていて、2人は独身という計算になります。
そして、30~34歳の独身情勢の割合は34.5%になります。
男性よりも割合は低いものの、以前と比べると未婚女性の割合が増えているのが分かります。
男性よりも割合が低いのは年齢を重ねれば出産のリスクが高まることも絡んでると思います。
男性ほどでないとは言え、女性の独身割合も以前と比べると格段に上昇しています。
3)男性・女性ともに晩婚化が進行している
Two women boxing / Powerhouse Museum Collection
データから読み解けることは、男性・女性ともに晩婚化が進行しているという事実です。
日本人の平均初婚年齢は1980年代では男性が27.8歳、女性が25.2歳でしたが、最近では男性が30.8歳、女性が29.2歳とアラサーになって初婚ということが当たり前のようになってきています。
それに応じて、女性の第1出産年齢も30歳を超えるようになっています。
30歳を超えると出産リスクが高まると言われていますが、現実では30歳を超えての妊娠・出産が増加傾向にあります。
独身割合から年代別に婚活事情を紹介
独身者の割合は年代によって異なり、それぞれの世代で婚活の状況や動向も変わります。
20代から50代まで、年代ごとの恋愛観や婚活事情について掘り下げてみます。
20代は友人関係やマッチングアプリから恋愛に発展しやすい
20代の独身者においては、友人関係やマッチングアプリを通じた出会いが恋愛に発展しやすい傾向があります。
この年代は、学生時代の友人や新しい社会人生活での出会いが豊富であり、それらの関係から恋愛が始まるケースが多く見られます。
また、マッチングアプリの利用も活発で、多様な人と出会うチャンスが多いのが特徴です。
20代の恋愛は、しばしば自然な流れで発展し、結婚へとつながることもあります。
30代は結婚への意識が高い。
30代の独身者は、結婚への意識が高くなる年代です。
キャリアや生活の安定を得て、結婚や家庭生活を真剣に考え始める人が増えます。
この年代では、結婚相談所や婚活イベントの利用が増える傾向にあり、より意識的にパートナー探しをするケースが多いです。
また、周囲の友人や同僚の結婚が、自身の婚活に対する意識を高める要因となることもあります。
30代の婚活は、より具体的で目的意識が明確な特徴があります。
40代・50代は再婚を考える独身も多い
40代・50代の独身者には、再婚を考える人が多く見られます。
この年代では、一度は結婚生活を経験した後に独身となった人が再婚を望むケースがあります。
また、初婚であっても、人生経験を重ねた上での結婚を考える人が多いのが特徴です。
この年代の婚活は、過去の経験を活かし、より深い人間関係を求める傾向にあります。
また、趣味や共通の関心事を通じて出会うケースも多く、マッチングアプリや趣味のサークルなどでの出会いが一般的です。
独身男女が結婚しない理由
Young woman sitting astride a turtle / Australian National Maritime Museum on The Commons
では、独身男女が結婚しない理由とは一体何があるのでしょうか?
内閣府が行なった全国の男女3000人を対象に聞き取り調査を行なった結果、独身男女が結婚にしない理由、結婚に踏み切れない理由が垣間見えてきます。
1位:独身の方が楽だから
2位:経済的余裕がないため
3位:結婚の必要性を感じない
4位:異性と知り合う機会がないから
5位:希望の条件を満たす相手に巡り会えない
6位:仕事に打ち込みたい
7位:趣味を優先したい
8位:異性とうまく付き合えない
回答者でもっとも多かったのは独身の方が楽だからという回答でした。
核家族化が進んで、子供が生まれた時などにサポートをしてくれる人がいなくなったのが原因でしょうか。地域の助けも昔に比べると少なくなってしまったのも要因の一つと言えます。
そして、経済的な問題も2位にランクインしています。経済的事情から結婚をしたくてもなかなか踏み出せないという男女が多いようです。
昔は結婚すると女性は家庭に入るという考えが多かったと思いますが、現在は共働きの夫婦も珍しくないためやはり経済的な理由で結婚できない独身男女は多いようです。
注目したいのは、4位・5位にランクインしている『異性と知り合う機会がない』『希望の条件を満たす相手に巡り会えない』この2つでしょうか。
確かに、異性と知り合う機会は現在では不足しているように思えます。自分の希望に合った人とめぐり合える確率はなおさらです。だからこそ、婚活パーティーやネット婚活は現代の独身問題に向き合ったサービスだと言えます。
婚活でデータを免罪符にしてはいけない
Woman / docnic
このようにデータを紐解いていくと、晩婚化は予想以上に進行しています。
独身男女の初婚平均年齢が30歳を超えているというデータも、まわりを見渡しているとうなずけるデータだと思います。
しかし、統計データで晩婚化が進んでいるのを免罪符に『みんな結婚が遅れているのだから、自分も仕方ない』と思っていませんか?
日本全体で晩婚化が進んでも、自分の婚期が遅れていることに納得してはいけません。
結婚にはタイミングが大事だとよく言われます。思わぬ出会いが結婚に結びつくかは自分でも分かりません。
まだ自分は大丈夫と何もアクションを起こさず過ごしていると、結婚適齢期を逃しタイミングを見失うかもしれません。
独身の割合と自分の婚活は切り離して考えよう
今回、独身男女の割合の推移から現在の婚活状況を紐解いてみました。
独身男女の割合は年々増加傾向にあり、これからもおそらく独身男女の割合は増えていくでしょう。
しかし、データはあくまでデータです。
周囲の婚期が遅れているのを口実に、自分も安心してはいけません。
結婚できない理由に出会いがないという事が挙げられていましたが、出会いがないのではなく自分が出会いの場に飛び込んでいないだけです。
まずは自分が婚活をスタートする所から始めてみてはいかがでしょうか。
◆参考文献
未婚率 – 少子化対策 – 内閣府