結婚相談所は他業種と比べて開業時の費用が抑えられるので、独立開業しようと考えている人も多いビジネスです。
しかし、開業する際の費用は実際にどの程度かかるのか気になりますよね。
この記事では結婚相談所の開業にかかる費用を初期費用・運営費用に分けてそれぞれ解説していきます。
初期費用を抑えるコツも合わせて解説するので、参考にしてください。
結婚相談所の開業にかかる費用は高い？
結婚相談所は開業にかかる費用が他の業種に比べると安く、始める際の負担が少ないです。
結婚相談所は開業する際に設備投資がほとんど必要なく、1人でも始めることができるからです。
会員を集めてお見合い相手を見つけてセッティングすることが主な仕事になるので、運営時もそれほどコストはかかりません。
未経験でもフランチャイズに加入すると手厚いサポートを受けることができるので、比較的始めるハードルは低いです。
加盟する連盟によって変わる
結婚相談所の開業を決めた後は、加盟する結婚相談所連盟を決定します。
加盟することで本部が保有する会員情報を利用することができるので、会員の相手探しを充実させることができます。
結婚相談所連盟によって、「加盟金」「登録者数」「加盟相談所数」などが異なります。
また結婚相談所連盟には加盟金を支払うので、加入する連盟は吟味しましょう。
具体的には次のような結婚相談所連盟があります。
- 日本結婚相談所連盟（IBJ）
- 日本ブライダル連盟（BIU）
- 全国結婚相談事業者連盟（TMS）
- 日本仲人連盟（NNR）
- 良縁ネット（Rnet)
加盟金だけではなく、自身が不安に感じている部分をフォローしてくれる連盟を選ぶと良いですね。
他業種より低い金額で開業できる
結婚相談所の開業は、他の業種よりも低い金額で可能です。
結婚相談所では飲食店などで必要な店舗が必要ない他、オープン費用なども必要ありません。
連盟に加入する際は加盟金が必要ですが、連盟に加入することでお見合いの施設を無料で使用できるようになる連盟もあります。
また、結婚相談所では人件費がそれほど必要ない点も開業費用を抑えることに繋がっています。
営業時間なども自由に決めることができるので、運営に多くのスタッフを必要としません。
他業種に比べて安く始めることができるのは、結婚相談所の魅力です。
結婚相談所の開業にかかる初期費用一覧
結婚相談所の開業にかかる主な初期費用の一覧は下記の通りです。
具体的な解説についてはつぎ込項目で紹介しています。
| 費用項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 物件取得費 | 約100万円 |
| 結婚相談所連盟への加盟金 | 約50万円～100万円 |
| 広告宣伝費用 | 約50万円 |
| 備品購入費用 | 約20万円 |
結婚相談所の開業にかかる初期費用は250万円前後
結婚相談所の開業にかかる初期費用としては、主に次の4つがあります。
- 物件取得費用
- 結婚相談所連盟への加盟金
- 広告宣伝費用
- その他備品購入費用
結婚相談所を開業する際には、上記のような費用をトータルして200万円程はかかると言われます。
それぞれの初期費用を解説します。
物件取得費用
結婚相談所は応接用のスペースがあれば開業できるので、それほど大きな事務所は必要ありません。
店舗を構える場合には、10坪ほどの事務所があれば十分なので、立地には寄りますがおよそ100万円程度かかると計算できます。
物件取得費用を抑えるために自宅の一室を利用したり、オンラインで始める方法もあります。
結婚相談所連盟への加盟金
結婚相談所連盟に加盟すると、連盟内の相談所は会員のデータを共有することができます。
自分で会員を集めて結婚相談所を運営する方法もありますが、自分の力だけでは十分な会員数が集まらず運営が厳しくなってしまうことも。
結婚相談所連盟への加盟は必須ではありませんが、上手く会員数を確保できるか心配な場合は、連盟の加入を検討しておきましょう。
また連盟に加盟する場合、結婚相談所の運営に関するサポートを受けられるメリットもあります。
加盟金として50～100万円程必要となりますが、代わりに連盟の看板や信用を利用できることによって集客が有利になり、広告費のコストを抑えやすくなります。
宣伝費用
結婚相談所を始める際は存在を知ってもらうために、開業前に宣伝を行います。
開業前には専用のホームページを作成したり、チラシ配布などの広告宣伝費がかかります。
ホームページ作成を外注する場合は費用が掛かりますが、自分で作成すると費用を削減できます。
またSNSなどを活用して広告活動をすることでコスト削減も可能です。
その他備品購入費用
結婚相談所を開業する前に、顧客管理を行うパソコンやテーブル・椅子などの備品も準備する必要があります。
その他にも入会案内の作成やカウンセリングシートなども必要で、トータルでおよそ20万円程度かかります。
連盟に加入していると、本部のノウハウを利用できるのでそれほど資金がかからないこともあります。
結婚相談所を開業して運営する際に必要な資金
結婚相談所を開業してから運営する際に必要な資金としては、次の項目でかかります。
- 賃料
- 光熱費
- 通信費
- 宣伝費
運営費用は結婚相談所の規模などで変わります。
以下にそれぞれの費用を解説します。
賃料
結婚相談所の事務所を借りて購入する際は、売り上げの10％程度の賃貸料が発生します。
都心で経営するか地方で経営するかによっても賃料は変わるので、どの程度必要か確認しておきましょう。
自宅で開業する場合は、賃貸料はかかりません。
光熱費
事務所を構えると、水道光熱費は売り上げの2％程度かかります。
水道光熱費は固定費なので、最初に料金を計算して把握しておきましょう。
通信費
自宅で開業する場合を除けば、通信費は2～3％程度かかります。
通信費も水道光熱費同様、固定費として事前に計算しておきましょう。
宣伝費
開業後に継続的に集客を得るために、販促活動も力を入れる必要があります。
媒体に寄りますが、一か月あたり売り上げの10～20％程度広告宣伝費がかかると計算しておきましょう。
結婚相談所の連盟はロイヤリティ0円のこともあるので、運営資金も抑えられます。
結婚相談所の開業に必要な初期費用を抑えるコツ
結婚相談所の開業に必要な初期費用は他業種に比べると抑えられていますが、さらに抑えるためには次の点を意識しましょう。
- 優良物件を選ぶ
- 集客方法を明確にしておく
結婚相談所を始める際は、できるだけ費用を抑えて支出を減らすことを意識しましょう。
以下にそれぞれのコツを解説します。
優良物件を選ぶ
結婚相談所の開業で最も費用が掛かるのが「物件取得費」です。
賃貸で事務所を借りるとしても、およそ10万円程度の費用は掛かります。
まず最低限必要なスペースを考えて基準とし、必要以上にコストをかけないようにします。
ただ、そこそこ広さもあって割安な物件もありますから、1.2件だけ確認して決めるのではなく、根気強く優良物件を探す粘り強さも大切です。
充分なスペースが確保できる上で、できるだけ安く済ませることができれば最適ですね。
集客方法を明確にしておく
結婚相談所の開業費用を抑えるには、集客方法も定めておきましょう。
広告方法としてはWeb集客やチラシなど様々ですが、全てに広告費をかけたとしても集客効果が得られるわけではありません。
結婚相談所の規模によっては収支がマイナスになることもあるので、サービス内容に見合った予算を設定しておきましょう。
結婚相談所の開業に必要な初期費用を抑えたい人は副業から始めよう
結婚相談所の開業に必要な初期費用を抑えたいのであれば、副業から始めることがおすすめです。
初期費用が掛からないだけでなく、夜や土日に活動することができます。
副業であれば実際にやってみて失敗してもすぐ撤退できるので、会社員である場合は副業から始めて様子を見るのもいいでしょう。
うまくいけば本業に移行できる
副業で始めた結婚相談所も、会員が増えて収入が安定してくれば本業に移行することができます。
経営が安定してきたタイミングで本業に移行できるので、資金面と合わせて判断しましょう。
結婚相談所の開業に必要な準備
結婚相談所を開業するためには、計画的な準備が不可欠です。
店舗の用意から採用・教育、そして開業方法の決定に至るまで、一連のプロセスを丁寧に実行する必要があります。
開業届の提出や、可能な補助金・助成金の申請も重要なステップです。ここでは、開業準備の各ステップを詳しく見ていきましょう。
結婚相談所の開業準備 1.店舗の用意
店舗開設は、結婚相談所の顔となるため、立地選びが非常に重要です。
駅近でアクセスしやすい場所を選ぶことが多いですが、家賃と顧客の利便性を天秤にかけて決定します。
また、店舗のデザインや内装も、顧客が安心して相談できる落ち着いた雰囲気を醸し出すことが大切です。
事務所機能と相談スペースをうまく区分けし、プライバシーを保護する工夫も必要です。
結婚相談所の開業準備 2.採用・教育
優秀なスタッフは結婚相談所の成功を左右する要素です。
採用時には、コミュニケーション能力やカウンセリングスキルを重視し、専門的な研修を通じてこれらのスキルを強化します。
スタッフ一人ひとりが顧客と真摯に向き合えるよう、定期的な教育プログラムの実施も考慮するべきです。
結婚相談所の開業準備 3.開業方法を決める
開業の形態には、個人事業主から法人設立まで多様な選択肢があります。
事業の規模や将来のビジョン、資金調達の計画などに基づき、最適な方法を選ぶことが求められます。
事業計画の策定には、市場分析や競合調査を入念に行い、事業の方向性を明確にすることが成功への鍵です。
結婚相談所の開業準備 4.税務署に開業届を提出
開業の準備として、税務署への開業届けの提出は避けて通れません。
これにより、事業主としての正式なスタートを切り、税務上の義務を果たすことになります。
届け出を行うことで、税務上の様々な手続きや、必要に応じた税務相談を行うことが可能となります。
結婚相談所の開業準備 5.補助金や助成金の申請
開業資金を軽減するためには、国や地方自治体が提供する補助金や助成金の情報を収集し、申請することが有効です。
これらの支援は、新規事業者にとって大きな助けとなります。申請には条件や期限がありますので、計画的に準備を進めましょう。
結婚相談所を開業するポイント
結婚相談所を開業する際の重要ポイントは、市場分析に基づく差別化戦略の策定と、業界内での信頼構築です
。また、連盟への加盟は信頼性を高めるだけでなく、業界のネットワークを拡大し、成功への近道となり得ます。
ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説し、開業を目指すあなたに役立つ情報を提供します。
他社よりもよりサービスを提供し差別化する
結婚相談所の世界では、サービスの質が全てです。
他社との競争に打ち勝つには、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされたマッチング方法を提供すること、さらにはアフターサポートの充実を図ることがカギとなります。
このような差別化戦略は、顧客満足度を高め、長期的な成功を築く土台となります。
また、独自のサービスを提供することで、口コミや紹介で新しい顧客を獲得するチャンスも広がります。
結婚相談所連盟への加盟をする
信頼できる結婚相談所を運営するには、業界の連盟に加盟することが大きな助けになります。
連盟加盟は、結婚相談所としての信頼性を顧客にアピールするとともに、業界内の最新情報やトレンドをキャッチアップする機会を提供します。
さらに、連盟主催のイベントやセミナーに参加することで、他の結婚相談所とのネットワーキングを図り、ビジネス拡大につながる貴重なアイデアや情報を得ることができるのです。
結婚相談所開業後の年収
結婚相談所を開業した後の年収は、顧客数や提供するサービスの質、料金設定、さらには経営の効率性に大きく左右されます。
市場の需要をしっかりと捉え、顧客満足度を高めることが収益向上の鍵となります。
具体的な年収の数値は、業界の平均や自社の実績に基づいて算出することが一般的です。
結婚相談所を開業するメリット
結婚相談所を開業するメリットは多岐にわたります。
特に、特別な資格が不要であること、社会に根強いニーズがあること、そして比較的低い資金で開業が可能であることが大きな魅力となっています。
無資格・未経験者でも始められる
特別な資格が不要なため、様々なバックグラウンドを持つ人々が結婚相談所の運営を始めることが可能です。
未経験者でも、適切な研修や情報収集によって、結婚相談業務に必要な知識とスキルを身につけられます。こ
れは、新しいキャリアへの第一歩として非常に魅力的です。
結婚相談所へのニーズがある
結婚を望む人々は常にいますので、結婚相談所へのニーズは安定していると言えます。
人々がより質の高いパートナーシップを求めている現代において、相談所は重要な役割を担っています。
このような社会的需要は、ビジネスの持続可能性を高める要因となっています。
低資金で開業・運営できる
結婚相談所は、比較的少ない資金で開業できるビジネスモデルです。
特に、オンラインプラットフォームを利用することで、初期投資を大幅に抑えることができます。
運営に関しても、無駄な経費を削減し、効率的なマーケティングを行うことで、財務的なバランスを保ちやすいのです。
結婚相談所を開業するデメリット
結婚相談所の開業にはメリットが多い一方で、挑戦する上でのデメリットも存在します。
集客にはマーケティングの技術が必要であり、連盟やフランチャイズに加盟する場合、費用が高額になることがあります。
連盟・フランチャイズ加盟は費用が高め
既存の連盟やフランチャイズに加盟することで、ブランド力を利用した開業が可能ですが、加盟料やロイヤリティが高額になることがあります。
これらの初期費用は、開業資金に大きな影響を及ぼすでしょう。
自力でのブランド構築とコストのバランスを慎重に考える必要があります。
ビジネスプランに応じた資金計画が必要
結婚相談所を開業する際には、ただ単に資金があればいいというわけではありません。
ビジネスプランに応じた資金計画が非常に重要です。いくら初期投資が低くても、運営資金や緊急時のリザーブを考えないと、ちょっとした波にものまれてしまうかもしれません。
最初は楽しくても、経営が続かなければ意味がないです。
初期の設備投資、人件費、広告費など、必要な経費はしっかりとリストアップしましょう。
そして、それらをどう賄っていくのか、どのようにして回収していくのか、計画する力が必須です。
結婚相談所の開業費用は他業種に比べて安く始められる！
結婚相談所の開業費用は他業種に比べて安く始めることができるので、これから始めようと考えている人にはおすすめのビジネスです。
事務所も自宅の一室を利用すると、さらに初期費用を抑えることが可能です。
収入面に不安を感じる人は、副業として始めることもおすすめです。