婚約って一体どんな状態の事なの?
プロポーズで終わっちゃいけない?!
実際のところ、「結婚しよう!」と相手に自分の意思を伝えて相手がそれを了承すれば、その時点で二人は婚約している事になります。じゃあ、プロポーズと変わらないじゃないか!と思われる方もおられるでしょう。しかしプロポーズとは、あくまでも二人の間での結婚の約束です。
婚約とはもちろん法的な手続きは必要ありませんが、二人の結婚への意志を公のものとする為に行われる事が多い様です。その為、第3者の立会いや婚約の証となる物が必要となります。そうして、何らかの方法で二人が婚姻関係にある事を家族や親族、友人たちに知って貰うのです。
気になる婚約の方法とは?
その1:結納
日本に古くから存在する結納とは、二つの家が結婚によって親族という結びつきを持つようになり、それを祝い合う為に贈り物を贈る儀式の事です。地域や宗教などによって違いはありますが、新郎家から新婦家への結納品を贈る事が一般的な結納儀式となります。
一般的な手順としては、両家の仲人が新郎家から預かった結納品を新婦の家へと持参し、手渡します。その後新婦家ではその仲人を丁重にもてなし、結納品の受書を仲人に渡します。次に仲人は新郎家を訪れてその受書を手渡します。その後結納返しとして日を改め、今度は新婦家から仲人を通して結納品を新郎の家へと納めます。
しかしながら最近では、この様な方法よりも略式の方法として両家と仲人が共に会食し、その場でお互いに結納品や指輪などの結納の証の授受を行う方法があります。
結納品は地域によって異なりますが、白木の台にそれぞれおめでたいとされる昆布やスルメなど、そして金包包(きんぽうづつみ)など奇数の品数(5品、9品など)で贈られます。気になる結納金の額ですが、明確な規定はないとはいえ新郎の給料2,3ヶ月分が一般的な様です。
その2:婚約パーティー
Engagement party / John Althouse Cohen
形式ばっていて堅苦しい雰囲気が苦手…という方にお勧めなのが、婚約披露のための婚約パーティーです。家と家との間の結びつきを公にする結納よりも、愛し合っている男性と女性が新しい家庭を作る予定である事を明らかにする婚約パーティーの方が、気負い無くしかも楽しんで行えるという理由で大変人気があります。
パーティーに招待するお客さんには、両家の家族や親族、親しい友人たちを中心に招待する事が出来ます。二人が将来結婚する予定である事をお知らせする為のパーティーですから、それほどかっちりしたパーティーにする必要はないでしょう。カフェやレストランを借りて、一緒に軽い食事やお茶を楽しみながらアットホームに行う事が出来ます。
プロの司会を頼む必要はありませんが、友人などに司会をお願いして段取りよく運べる様にした方が、ただ単にお茶とおしゃべりの会になってしまうよりも有意義な集まりとなる事でしょう。その際に、婚約誓書への署名や婚約の記念品交換を行ってみるのもよいかも知れません。
その3:婚約式
日本特有の儀式である結納ですが、最近では何もかも欧米式に倣う方が増えている様で、こちらの婚約式も人気を集めています。婚姻前の儀式として婚約式が一般的に行われるキリスト教国では、教会において神と参列者の前で婚約の誓約書にサインをしたり、婚約記念品の交換が行われたりします。
結婚式と違って、女性がドレスを着る必要もありませんし、バージンロードを歩くのも必要ありません。しかしながら、「これから二人は正式な結婚をするんだ!」と言う真摯な気持ちを神様と親族、友人たちに知って貰い、立会人になって貰うという事でこの婚約式は効果的なのでしょう。
厳かな雰囲気の教会やホテルで行われる婚約式ですが、特に食事やエンターテイメント性を含める必要はありません。二人が参列者の前で婚姻誓書に署名をして、お互いの気持ちを託す事が出来る品物(指輪が一般的です)の交換をすれば、それだけで十分という簡素ながらも、結婚準備に向けて気持ちが引き締まる式と言えるでしょう。
その4:婚約記念品交換による婚約
「結婚しよう。」「うん。」というやり取りだけでも、成就してしまう婚約関係。だけど口約束だけなら、誰にでも出来ますし本当に結婚出来るのか不安になる時だってありますよね。ですから、ここは一つどれだけその結婚への意識が本物であるかをお互いに証明するために、婚約記念品を贈り合う事が必要となります。
取り立てて何かパーティーや式を行ったり、結納金を贈ったりせずとも二人の気持ちを確かめるためにプレゼントを贈りあう事で、婚約に真実味を加える事ができるでしょう。そのプレゼントとして一般的なのはエンゲージ・リングです。男性から女性へ贈りますが、そのお返しとして女性も男性へプレゼントを用意します。
お互いにリングを贈り合うという方もおられますし、男性への婚約記念品として時計やスーツといった相手の喜ぶ物で、かつ婚約の記念にふさわしいと思われる物を用意するのが一般的となっています。あまり派手な事が好きでないカップルなどは、この記念品交換と婚約通知状を出すだけでも十分と言えるでしょう。
その5:婚約通知状を出す
お互いに婚約記念品を交換したら、今度は二人が婚約中である事を親しい人々にお知らせする為に婚約通知状を出してみましょう。「たかが婚約なのに、どうしてそこまでする必要があるの?!」と思われる方もおられるかも知れません。
しかしながら、この婚約通知状を出す事によって、多くの人々に二人の婚約の証人となって貰えますし、これから行われる結婚式を前もって心積もりして貰う為に大変有効です。突然結婚式の招待状を送りつけるよりも、婚約通知状によって先に「結婚式がこれからありますよ~。」と知らせておいた方が、招待される側も予定を調整する事が出来て親切なのではないでしょうか。
既に始まった結婚へのステップ
面倒と感じるか、それとも楽しめるかで将来が変わってくるかも?!
「結果的には結婚するんだから、婚約に特別な意味なんかないんじゃないの?」と思う男性の方は大変多いかも知れません。ですが、煩雑な事の多い結婚準備期間を二人で上手く乗り切るためには、婚約を通して二人の気持ちをより確かなものとする事が役立つでしょう。
それに加えて、独身への決別というケジメ付けとして、または「結婚するんだ」という自覚を持つのに役立つものとして、二人一緒に行う最初の結婚へのステップと言えるでしょう。